10:10-11:00
基調講演
「人工知能の歴史、現状、未来」
理化学研究所
栄誉研究員
甘利 俊一 氏
講演概要
人工知能は素晴らしい発展を遂げた。その歴史と現状をつぶさに見てみよう。現在の深層学習に代表されるAIは確かに素晴らしいが、人間の脳と比べて至らない点が多々ある。脳は、進化の永い歴史の末に現れた傑作である。それは心を宿し、意識の下で情報を統合して吟味する。さらに文明と科学を生み出した。どうすれば今の人工知能にこれができるであろうか。
人工知能が社会に受け入れられ、新しい文明を築いていくにはどのような道があるのか、これを脳と対比しながらじっくりと考えてみたい。
プロフィール
数理工学を専攻する研究者である。情報幾何など、情報の数理を扱う数学理論を提唱する一方、脳の仕組みを数理の立場で明らかにする、数理脳科学の建設に励んでいる。
東京大学工学部、同大学院で数理工学を専攻、九州大学助教授、東京大学助教授、教授を経て、現在同名誉教授。理化学研究所の脳科学総合研究センターのセンター長を5年間勤め、現在は栄誉研究員。
電子情報通信学会会長、国際神経回路網学会会長などを務め、文化功労者、日本学士院賞、IEEEピオーレ賞、神経回路網パイオニア賞、Gabor賞など多数を受賞。囲碁6段、テニスやスキーを楽しむ。日本棋院の囲碁大使。