15:35-16:20
「マルチエージェント社会シミュレーションと社会サービス設計支援」
産業技術総合研究所
人工知能研究センター 総括研究主幹
野田 五十樹 氏
講演概要
ITやIoTの発展により都市機能はより高度になってきているが、その分、円滑なサービス連携や非常時の対応の設計が難しくなってきている。本講演では、複雑化するサービスの設計を支援する技術として、マルチエージェントによる社会シミュレーション技術を紹介する。この技術では、社会を構成する人々の動きを人工知能で模倣したり、システムの動作を最適化するのに人工知能の最適化技術を活用したりして、大規模で複雑な社会システムの挙動を再現・分析する。題材としては交通分野では、MaaSの構成要素として注目されているオンデマンド公共交通の1つ、AI便乗の話題を、人流分野では、人が集中した際の対処方法について、大規模イベントや災害のシナリオで解析する話題を紹介し、社会シミュレーションの可能性を論じる。
プロフィール
1992年、京都大学大学院工学研究科修了後、電子技術総合研究所(現・産業技術総合研究所)に入所。博士(工学)。1994年よりロボカップの創立メンバーとして、シミュレーションリーグの立ち上げを行う。2014~17年にロボカップ国際委員会プレジデント。2000年より防災情報システムの国家プロジェクトに参画し、防災情報システム、災害シミュレーション、避難シミュレーションに取り組み、現在も各種人流シミュレーションの研究を展開している。2002年よりオンデマンド型公共交通のシミュレーションを開始、その研究の成果を元に2012年より実証実験を開始し、その社会実装を目指して、2016年、未来シェア設立。