2026.08.26

Data of Data Scientist シリーズ vol.82『理系:65%、文系:70%-大学生の生成AI利用率』

データサイエンティスト協会では、日本の大学生に対するアンケート調査を毎年実施しています。データサイエンティストに対する認知・興味、データサイエンス関連の学習の実態、生成AIの利用状況などの質問をしています。今回、それらの質問の中から、「生成AIの利用」について調査した結果を紹介します。

大学生の生成AIの利用率をみると、2023年では29%であったものが、2024年には47%になり、2025年では67%まで高まりました。生成AIが登場してから2年で、多くの大学生が生成AIを当たり前のように使うようになったと言えます。
以下のグラフは、現在の所属が理系と文系別に、生成AIの利用率を表したものです。理系・文系ともに、利用率が大幅に高まっていることがわかります。特徴的なのは、2023年から2024年にかけては、理系における利用率が大きく伸びた点です。生成AIが登場した初期の段階では、パソコン操作などに長けている理系の学生で生成AIの利用が進んだと言えます。2024年から2025年にかけては、理系の生成AI利用率が54%→65%へ上昇したのに対し、文系では43%→70%と大きく伸ばしました。2025年だけみると、理系よりも文系で生成AIは利用されているのです。AIというと理系のイメージが強いですが、文系の学生でも生成AIは急速に普及していると言えるでしょう。

次に、大学生の生成AIの「活用内容」についてみてみます。
生成AIの活用内容として、最も多いものは「論文や教科書の要約」となっており、これは2023年から2025年まで、一貫して最多の項目です。2024年から2025年にかけて、生成AIの利用が拡大した項目としては「レポートや論文の作成」「各種調べもの」「エントリーシートの作成」となっています。一方で「アイデア出し」や「授業のメモや議事録の作成」という使われ方は拡大しておらず、レポートや宿題など、より直接的にアウトプットに関する使われ方が増えていると考えられます。大学生が作成するレポートでは、生成AIが活用されているのが当たり前になりつつあるのです。
また、大学生全般の活用と比べると、対象者が少ない「エントリーシートの作成」も16%まで活用が拡大しています。学習した成果を評価する現場でも、企業における採用の場においても、大学生は生成AIを使って、アウトプットを作成していることを前提に考える必要があります。
一方で、評価される学生も、生成AIを使えば答えが得られることに満足せず、他の学生との違いを明確にすることが求められます。ある程度のレベルまでは生成AIを使えばできてしまうため、さらなる差別化や、付加価値などの上乗せが必要になった分、かつての大学生に比べると、現代の大学生は大変になっているのかもしれません。

個人的には、大学で教育する立場にいるため、学生が生成AIを使ってレポートを書いているかどうかを常に意識しなければならなくなりました。一方で、大学生が生成AIを使うことで、以前よりもレベルの高いアウトプットが作成されるようになったことは間違いありません。「生成AIを使うな」ではなく、教員と学生が、上手に生成AIと共存することが重要になってきています。「生成AIを使ってレベルを高めよう」がこれからの教育現場における方向性だと思います。

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
大妻女子大学 データサイエンス学部 塩崎潤一氏

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