2021.05.18

Data of Data Scientist シリーズ vol.13『専門性が高い32%、頭が良い31%、かっこいい22%-大学生が持つデータサイエンティストのイメージ』

データサイエンティスト協会では、2020年に学生向けにデータサイエンティストに関するアンケート調査を実施いたしました。アンケート結果より、今回は、大学生が持つ「データサイエンティスト」と「コンサルタント」と「システムエンジニア」のイメージの違いについて考察します。なお、学生向けアンケート結果については、5/26のwebセミナー「データサイエンティストの最新動向2021でも紹介予定です。

アンケート中の「職種に対するイメージ」という設問において、「データサイエンティスト」と「コンサルタント」と「システムエンジニア」に対するイメージの上位5つを取ると、以下の表になります。「専門性が高い(32%)」「頭が良い(31%)」「かっこいい(22%)」などのイメージを持たれているようです。

職種に対するイメージ(上位5つ)

この結果をコレスポンデンス分析で表すと以下のグラフになります。グラフ上、距離が近いほどイメージが近い項目と解釈できます。
※コレスポンデンス分析とは・・・クロス集計表についてその特徴を最大限残し2次元の平面に図示する手法(参考)https://www.nikkei-r.co.jp/glossary/id=1628

職種に対するイメージ(コレスポンデンス分析)

データサイエンティストと距離が近い項目を見ると、特に「リモートワークができる」「将来性がある」「かっこいい」などのイメージが強いことが分かりました。社会のニーズが高まる領域における特殊技能を持ったスペシャリストというイメージでしょうか。一方で、コンサルタントやシステムエンジニアなどとは異なるイメージを持たれているようです。

 

実際のデータサイエンティストの働き方はどうでしょうか。近年、企業におけるデータサイエンスの実務は分析業務だけでは完結せず、具体的な価値創出、社会実装に繋げられるかが肝要となっており、データサイエンス力に加えビジネスへの応用力やサービスの実装開発力が必要とされています。ゆえにスペシャリスト性だけでなくコンサルタントやシステムエンジニアに近いスキルも含めたゼネラリスト的な能力も期待されることが多いと感じますが、この点は、学生のイメージとギャップがありそうです。

 

データサイエンスの社会実装の広がりと共に、企業が求めるデータサイエンス像が変化している(職務領域が広がっている)ことがギャップの理由とも言えます。前向きに捉えるなら、双方が理解を深めてこのギャップが埋まっていけば、データサイエンティストの活躍する場はもっと広がる可能性があるとも言えそうです。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社野村総合研究所 田村初

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