2025.08.07

【イベントレポート】三大学合同!若手データサイエンティストが語るリアルなお仕事(2025)-社会を変えるのは君たちだ-

こんにちは。データサイエンティスト協会 学生委員会の村上です。
6月26日(木)、中央大学とデータサイエンティスト協会の共催で、中央大学 後楽園キャンパスとオンラインのハイブリッド形式のイベントを開催しました。このイベントは今年で4回目となり、中央大学、法政大学、関西大学を中心に約140名に参加いただきました。登壇者はRIZAPテクノロジーズ、日清食品ホールディングス、博報堂DYホールディングスの業種が異なる3社の若手データサイエンティストで、”仕事のリアル”を語っていただきました。

1.当日の流れ

本イベントは、まず若手のデータサイエンティストである登壇者が、自己紹介、自社の事業概要および自身の役割を紹介し、続いて 参加学生から寄せられた質問に答えるQ&Aセッションへと進みました。質疑応答では「コーディング作業の割合」「実務で使うツール」「テーマ設定の仕組み」など多彩な質問が相次ぎ、時間切れで回答できない質問が出てくるほどの盛況ぶりでした。

2.各社プレゼンで見えた「仕事のリアル」――印象に残った言葉から紐解く

「ビジネス力や熱意があれば技術ギャップは埋められる」 — 佐藤百合菜さん(RIZAPテクノロジーズ)

哲学科出身というバックグラウンドでデータサイエンスの世界に飛び込んだ佐藤さん。配属直後にSQL等を猛勉強し、今では、chocoZAPヘルスデータのクラウド開発による視える化・分析を推進中。そこで得られた知見を「都道府県別ランキング」としてプレスリリースを打ったり、清掃状況等を可視化して顧客体験を向上させるなど、「顧客が知りたいことを表現するビジネス視点」「自分が生み出したいものに向けて努力すること」が成果を生む推進力になっていました。顧客が知りたいことの把握って恐らくとても難しいんじゃないかと思いますが、その壁を越えると、分析や開発の方向性が定まり、成果への道筋がはっきりするのでしょうね。

「役に立っていないことが無いぐらい、学生時代の勉強が役に立っている」 — 粟野志穂さん(日清食品ホールディングス)

大学でデータサイエンスを専攻した粟野さんは、ダッシュボード開発・分析・基盤整備等を通じて、部門横断で意思決定を支援。AIを活用してPOP 文案をパーソナライズする施策では、売り場改善に貢献。学生時代のデータサイエンスの体系的な学習や、企業データを扱った現場志向の演習が、入社直後からの活躍を支えていました。また、データ前処理の大切さを“仕事のリアル”として語り、会場の関心を引きました。私の経験としても、前処理によって検定結果や予測精度ががらりと変わったことがあるので、前処理は気を抜けない重要なステップだと思います。

「基本こそ最大の武器」 — 下村真生さん(博報堂DYホールディングス)

学生時代は画像に関するデータサイエンスを研究し、好奇心旺盛な性格から様々な業界に関わることのできる広告業界を志した下村さんは、ライフスタイル・生活意識の推定モデル開発 、生成AIを活用したターゲット像明確化、さらには新規データ導入検討などを担当。様々なデータサイエンスを推進できている要因の一つとして、技術書や微積分といった「基本」を挙げました。数学をバックグラウンドに持つモデレータの関根さんも、「学生時代に得た数学力、調査力、研究力は現在でも役に立っている」そうです。手法系の論文などでは数式をよく目にしますが、それらを理解できれば、技術的な理解がより深まり、応用も効きそうですね。

3.まとめ

「-社会を変えるのは君たちだ-」というキャッチコピーが示す通り、本セミナー は “データで社会を動かす” 現場を肌で感じる場となりました。登壇者のバックグラウンドやキャリアは多様でしたが、「課題を見抜き、データで意思決定を後押しする」という姿勢は共通だったように思います。キャリアの多様性と共通する情熱、その両輪が社会を前へ進める原動力になると強く感じる一日でした。

最後に、本セミナーの開催にあたり、多大なるご協力を賜りました登壇者の皆さま、ならびに中央大学事務局・後楽園キャンパススタッフの皆さまに、心より御礼申し上げます。

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