2025.09.26

Data of Data Scientist シリーズ vol.73『43%-データサイエンスに関連する部署やチームを持つ企業の割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回は、2024年12月に実施した最新の調査結果をもとに、企業でのデータサイエンスに関する体制整備の実態について考察します。

 

一般(個人)会員向け2024年調査結果:https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-3953/

生成AIを始めとした技術の進歩によりデータの活用手段は年々増えていき、それに伴ってビジネスでのデータ活用の重要性も高まっています。その一方で、企業側でのデータを活用する体制の整備には改善の余地がありそうです。今回の調査では、自身の所属企業に「データサイエンス」に関する専門の組織があると回答した人の割合は43%であり、前年の45%から微減となりました。
同アンケートの別の項目で業務内での生成AIの利用率を調査[1]した際は、データサイエンティスト協会 一般(個人)会員の利用率は2023年の31%から2024年の60%と増加しており、専門的な用途での活用例も見られたことから個人レベルではデータの活用が浸透していると言えますが、それに対する企業側の体制の整備が追いついていないことが課題と考えられます。

また、自身の所属企業に「データ分析・解析」に関する独自の育成プログラムがあると回答した人の割合は26%であり、昨年以前の値と比較しても頭打ちとなりつつあります。データサイエンティストに求められるスキルは多岐に渡り、最新のチェックリストではカテゴリ数が31、スキルの項目数では650となります[2]。そのため、統一的な育成プログラムを作ることが難しいことが原因として挙げられます。

今後も技術の進歩に伴い求められるスキルの幅が広がっていき、統一的なプログラムを作ることはさらに困難になることが予想されます。そのため、企業も個人も目的意識を持つことが求められます。データの活用方針を明確にし、それを実現するために必要なスキルと現状のスキルを洗い出すことが重要です。また、方針が明確になることで取るべき行動も明確になり、データサイエンスに関する専門組織の整備にも繋がるのではと考えます。

データサイエンティスト協会では、今回報告した一般(個人)会員向け以外に学生向けや企業向けにもアンケート調査を実施しております。今後も調査を通して様々な情報を提供してまいります。

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会

株式会社キーウォーカー 大槻南央氏

[1] Data of Data Scientist シリーズ vol.66 『60%-日本のデータサイエンティストが生成AIを業務で利用している割合』:

https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/dssjournal-4037/

[2] 2023年度版「データサイエンティスト スキルチェックリストver.5」および「データサイエンス領域タスクリスト ver.4」を発表:

https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-1757/

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