2026.05.19
Data of Data Scientist シリーズ vol.80『29%-大学生の「データサイエンス基礎/入門」講義受講率』
データサイエンティスト協会では、2025年に学生向けにデータサイエンティストに関するアンケート調査を実施いたしました。今回は、学生のデータサイエンス関連の講義の受講状況について考察します。
2021年から文部科学省が認定する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」がスタートしました。多くの大学でリテラシーレベルの認定を受け、応用基礎レベルの認定を受ける大学も増えつつあります。このように大学におけるデータサイエンス関連の取り組みが進んでいる状況があります。そうした中で大学生の「データサイエンス基礎/入門」講義の受講率は、2023年23.7%、2024年26.0%、2025年28.5%と年々増加傾向にあります。学年別では、大学1~3年生の受講率はいずれの学年も32%程度となっており、4年生の25%を7ポイントほど上回っています。2023年調査では大学1年生での受講率が24%程度であったため、8ポイントほど増加したことになります。このように、大学での取り組みを進めている結果が、この調査結果からも分かる形となりました。
「データサイエンス基礎/入門」の受講率は増加傾向にありますが、その他講義についても確認していきます。
まずは従来から学ばれている分野についてです。「統計学」は33%の受講率となっており、この3年で動きが見られません。同様に「確率論」、「線形代数学」や「微分積分学」も受講率に動きが見られません。従来から学び、また設定されている分野であるため、大学で何かしらのアクションがない限りはこの受講率で今後も推移することが想定されます。
続いて、データサイエンス関連の学びについて確認します。「データサイエンス基礎/入門」以外では、従来からの分野同様に、この3年であまり動きが見られない結果となっています。「データ解析」は21%程度、「機械学習」は10%程度、「深層学習」は9%程度でそれぞれ横ばい推移となっています。これら学びは、専門科目であったり、ゼミ・研究室で学ぶことが多いため、上位学年や修士・博士課程の学生での学びが多くなっています。大学1~2年生で基礎/入門を学び、そこからデータサイエンスに興味を持ち、ゼミ・研究室でより専門性が高い学びに取り組むことに繋がっていけば受講率も高まっていくと考えられます。しかしながら、高度なデータサイエンス関連の学びが伸びていないことから、基礎からより高度な学びには繋がっていないと考えられます。
最後に、「学んだことはないが、興味はある」学生について確認します。分野によってこの割合に若干の差異は見られますが、データサイエンス関連については概ね20%程度が「興味はある」としています。しかしながら、この割合はこの3年であまり変化はしておらず、興味に至る状況になっていないことが分かります。実際に学んでいる学生、そして興味を持つ学生の割合を合わせると、「データサイエンス基礎/入門」で50%近くに徐々に近づいている一方で、「データ解析」や「機械学習」などデータサイエンス関連は30~40%に留まっています。
2021年からスタートした認定制度の影響もあり、「データサイエンス基礎/入門」を学ぶ大学生が増えており、徐々に裾野が拡がっていることが分かりました。多くの大学での導入の動きから今後もこの裾野は拡がっていくものと考えられます。裾野は拡がる一方で、より高度なデータサイエンスに興味を持ち、さらに学んでいく学生の動きに注目していきたいと考えています。今後は増えていくのか、それともこの3年の動き同様にあまり変化なく高止まりとなってしまうのか、引き続き本調査を実施し、動向を見守っていきたいと思います。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社金融エンジニアリング・グループ 塩谷周久氏
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