2025.11.04
Data of Data Scientist シリーズ vol.75『データサイエンスで変わる日常生活』
データサイエンティスト協会の調査・研究委員会では、一般(個人)会員を対象に「データサイエンスで変わる日常生活」というアンケート調査を実施しました。インターネットを活用した調査で、データサイエンスにより日常生活がどのように変化してきたか、あるいは、今後変化するかなどを自由回答形式中心に調査をしました。回答者数は173名でした。
この調査結果をもとに、現役のデータサイエンティストが感じている「データサイエンスで変わる日常生活」について整理しました。
調査報告
日常生活における変化として、選択肢を提示して調査した結果が以下になります。
現在の生活における影響(いくつでも選択可)としては、「自動翻訳・文字起こしの進化」を挙げている人が多く、次いで「SNSなどにおける広告のパーソナライズ」が多くなっています。一方、今後における影響(3つまで選択可)では、「教育や学習サービスにおけるパーソナライズ」、「健康診断やライフログから健康に関するリスクの予測、予防提案」などを期待している人が多くなっていました。
割合は少ないながらも、現在と比較して、将来の変化として多い割合を占めるものとしては「需要に応じて価格が変動する「ダイナミックプライシング」」や「個人向けの投資助言・ロボアドバイザー」などが注目されています。ダイナミックプライシングやロボアドバイザーなどはサービスとして導入が始まっていますが、今後ますますサービスの高度化、一般化が進むものといえるでしょう。
アンケート調査では、具体的な変化について、自由記述でも調査を行っています。今後の日常生活の変化として、興味深い記載としては、以下のようなものがありました。いずれも新しいデータや、分析の成果として今後の浸透が期待されます。具体的な事例があるとイメージがわきやすいのではないでしょうか。
- 学習サービスのパーソナライズ化によって学習定着や習慣化を目的とした学習コンテンツの提案や記憶定着を促す頻度、回数での学習計画が作成される
 - 教師の経験によらない教育の質を一定に担保できるようになる
 
- ウェアラブル端末の進化と合わせて、常時自分の健康やストレスの状態をモニタリングする。収集されたデータをもとにいまの自分に合ったストレス軽減の方法やアイデアが提示できている
 - トレーニングジムにおける日々のトレーニング指導を人間スタッフではなく端末操作や音声認識によってデータドリブンな処理で完結できる(スタッフがトレーニングの知識が不要になり端末操作補助だけ)
 
- ダイナミックプライシングが各店舗のレジや在庫と連動する様になり、人気で品薄な物は高く、不人気で在庫過多な物は安く購入するのが当たり前になる
 
- サッカーで、全プレーヤーの動きのモニター、予測、プレイ(プレイヤー)の点数化。フィギュアスケートの演技(回転、ジャンプ、スピード)の画像解説
 - 映画やアニメ、漫画などで、画像処理の高度化により絵コンテがあれば漫画を描いてしまいようになると思う
 - 「これは何?」という言い方で、画像やWebの情報からより深い情報を、わかりやすい形で引き出せるようになり、「調べもの」に要する時間が急速に短縮される
 
プロ野球の投手が投げるボールに関するデータとしては「球速」だけではなく、球の「回転数」や「回転軸」などが当たり前になってきました。結果として投手の新しい評価指標が生まれました。お笑いの世界でも漫才を分析的に捉える芸人も増えてきています。近い将来、お笑いの世界でもデータを活用して科学的にネタを考える人も出てくるのではないでしょうか。
製品の開発・生産、業務の効率化など、ビジネスシーンだけではなく、日常生活においてもデータサイエンスは浸透していくでしょう。教育、健康、スポーツ、エンタメなど、ワクワクする変化が待っています。
データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
大妻女子大学 データサイエンス学部 教授 塩崎潤一
- カテゴリ
 - 
      
- 
        
DS関連NEWS
 - 
        
インタビュー
 - 
        
スキルアップ
 - 
        
コラム
 - 
        
教えて!DS
 
 - 
        
 
- アーカイブ
 - 
      
- 
          
2025年
 - 
          
2024年
 - 
          
2023年
 - 
          
2022年
 - 
          
2021年
 - 
          
2020年
 - 
          
2019年
 - 
          
2018年
 - 
          
2017年
 - 
          
2016年
 
 - 
          
 
- 記事アクセスランキング
 - 
      
 
- タグ
 
