2020.09.02

Data of DataScientest シリーズ vol.4『40%-企業がDSに求めているマーケタータイプの割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けと国内企業を対象としたアンケート調査を実施しています。今回はデータサイエンティスト人材のタイプについて、需要と供給側の比較を行なっていきます。

 

当協会では、データサイエンティストに必要な以下3つのスキルを定めています。

2019年に実施した一般(個人)会員アンケート調査では、それぞれのタイプで現在棟梁レベル以上であると回答した人数は、ビジネス力が最も多く全体の23%でした。続いてデータサイエンス力、データエンジニアリング力の順でその割合は11%と10%でした。データサイエンティスト人材の供給量はビジネス力の高いタイプが最も多いと推測されます。

 

一方、同じく2019年に国内企業向けに実施したアンケート調査では、企業がどのようなデータサイエンティストを求めているのか、以下の3タイプについて採用予定数を聞き取っています。
1.マーケタータイプ
2.アナリストタイプ
3.エンジニアタイプ
その結果、もっとも需要が多いのはマーケタータイプで、需要全体の40%を占めていることが分かりました。アナリストタイプとエンジニアタイプの需要はそれぞれ24%と36%でした。

 

これらの調査結果をまとめると、ビジネス力が高い、すなわちマーケタータイプのデータサイエンティストが、人数も多く需要も多いという結論となります。この背景には2つのことが考えられます。
1つは、課題設定やPoC段階で躓くような失敗を繰り返さないために、プロジェクト全体を設計できる人を企業側が求めているということです。
もう1つは、本人が認識しているビジネス力と、企業が求めるビジネス力の間で、方向性が食い違っていることが挙げられます。

 

同アンケート調査では、ビジネスの現場で活躍するデータサイエンティスト像として、Gartnerの提唱する「市民データサイエンティスト」の増加も示唆されています。
企業にとってのデータサイエンスの捉え方が今後どのように民主化されて行くのか、その鍵は需要と供給の双方の理解にあるのかも知れません。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社セラク 金井伸也

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