データサイエンティストの業務内容や働き方の実情を、多くの人に正しく知ってもらいたいと考え、企画を始めたインタビューシリーズ。
第七弾の後編は、引き続きネイチャーインサイト株式会社のデータアナリティクス部データサイエンス1グループでデータサイエンティストをされている、阿部達也(アベタツヤ)さんにお話を伺います。
−社内で開催される勉強会について、もう少し詳しくお聞かせください。
阿部さん: 勉強会はいくつかのグループに分かれています。私が参加しているグループは自由度が高く、何でも話してよいスタイルです。私はDatabricks(データブリックス)を学習しているので、「ここが分からない、誰か知っていますか?」といった質問を持ち込んだり、「こういうTipsがあります」と話題を出したりしています。各自の現場の課題をスレッドで共有し、「こう解決した」「解決策が分かる人はいませんか」とやりとりをする形ですね。
また、各自が現場で使ったツールや機械学習モデルの共有も行います。たとえばMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)の現場事例を共有していただき、「こんな形でモデルを作っている」という話を学びました。製薬業界における未経験分野の話を聞く機会があり、どのような統計モデルを使っているのか、といった情報に触れています。
−勉強会以外にも、疑問点が出た時に随時相談できる仕組みはありますか?
阿部さん:はい。 私が所属しているデータアナリティクス部のチャットが活発です。聞きづらさはなく、かなり風通しの良い環境だと感じます。短いやりとりでも前進できることが多いので、スピード感の面でも助けられています。
−日常の働き方についてお尋ねします。出勤頻度やリモートワークの状況、また業務での生成AI活用についても教えてください。
阿部さん: 現場やチームの意向によって変わりますが、今私は週に二日ほどリモートワークをしています。対面での密なやりとりと、集中して作業できる在宅のバランスを取りながら進めています。
一方で、今の働き方が10年続くとは考えていません。環境は変化しますし、技術も更新され続けます。ですから、勉強しながら現場に食らいついていきたいと思っています。
コーディングについても、AIに書かせたものをたたき台として使う場面は増えました。また、生成AIのAPIやアプリが組み込まれたツールを使いたいという現場の要望も増えています。開発の立場でそれらを使いこなせれば、大きな価値になると感じています。
−業務外での社内の関係性についても教えてください。
阿部さん: 社内コミュニケーションは活発な方だと思います。全社でBBQや忘年会がありますし、先月末ごろには社内のビアガーデンイベントも開催されました。普段は別のデータ領域にいる人とも交流ができ、プロ野球の話題や、各自の趣味のゲームの話などで盛り上がりました。

また、社内SNSの「TUNAG」というサービスで、投稿や「いいね」にポイントが付与される仕組みも活用しています。対象期間中に上位の方々には会社主催の交流会が開かれるなどのイベントもあります。私は参加したことはありませんが、常連の方たちが和やかに話せる雰囲気だと聞いています。
−働き方の柔軟性や、社内コミュニケーションが活発な雰囲気を理解することができました。質問を再度、阿部さん個人のお話に戻させていただきます。入社後にどのようなスキルが上昇しましたか? また、いま伸ばしたい分野や課題は?
阿部さん: PythonやSQL、SASなどの技術面は、入社後に身につけたと言ってよいと思います。
技術以外では、「ビジネス課題をデータに落とし込む力」が飛躍的に伸びた実感があります。データサイエンティストは単に分析をするだけではなく、ビジネス課題を深く理解することが重要です。一方で、より高度な機械学習モデルや最新技術のキャッチアップは常に課題だと感じています。ツールも論文も次々に更新されます。製薬会社から「この論文の手法でやってほしい」という依頼が来ることもあり、2019〜2020年ごろの比較的新しい論文でも、短期間で理解して実装するのは大変なことがあります。日々新しい技術が出るので、継続的な学習は欠かせません。それこそ論文を読むときにAIを活用し、理解を効率化する工夫もしています。
−社内で資格の取得は推奨されていますか。
阿部さん: はい。弊社ではSAS関連の資格が必須です。加えて、データサイエンティスト検定やDatabricksの資格も推奨されています。
基本情報などの情報系の資格や統計検定など、スキルの裏付けになる資格も推奨されており、一部は会社が費用を負担してくれます。私たちの業務の特性上、現場と現場の間に1か月ほど間が空くことがあります。その期間にまとめて学習・受験する人も多いですね。資格は理解を可視化する手段として有効だと感じます。
−会社選びについてお尋ねします。もし阿部さんが新卒に戻れるとしたら、どのような会社を選びますか。
阿部さん: 難しい質問ですが、会社のメリット・デメリットを事前にしっかり確認すると思います。複数のサイトで情報収集し、「自分にとっての良い点/合わない点」を見極める。そのうえで、結局は自分で環境を作る部分が大きいと考えています。
弊社を選んでよかったと思える点は、先輩のサポートを受けながら実践で学べる現場である点と、比較的早い段階から裁量の大きな仕事を任せてもらえた点です。また事業会社ではなく、さまざまな現場に入れる支援会社に入ったことで、多様なデータに触れる機会があり、常に好奇心を持って仕事に向き合える、というのもありますね。
一方で、入社前は「データサイエンティストはデータ分析だけをしていればよい」と思っていたのですが、実際には、顧客・上司・同僚、場合によっては他社の方とのコミュニケーションが成功の鍵になることがあります。どちらか一方だけでは、顧客の課題を理解したり、適切な分析方針を立てたりするのは難しい。
私は大学時代、人と話す機会が多い方ではなかったので最初は大変でしたが、入社してからさまざまな人とコミュニケーションを取れたことが今では大きな財産だと感じています。そのことを理解してさえおけば、未経験であっても、どのような会社であれ楽しんで学び続ければ実力はつくと思います。
−就職・転職のアドバイスはありますか。
阿部さん: 自分がどのようなデータや業界に興味があるのかを考えるのがよいと思います。そこから逆算して、医療・製薬・通信など、興味のある領域に強い会社を探す。
扱うデータによって仕事の内容は変わります。支援会社に入るとさまざまな業界のデータに触れられる点も魅力です。だからこそ、自身の興味・関心が重要だと感じています。
−最後に、データサイエンティストを目指す方へメッセージをお願いします。
阿部さん: この業界に入ると、さまざまなデータに触れ、新しい課題に出会い、成長を実感できます。私たちも日々努力していますし、同じ現場になるかは分かりませんが、一緒に取り組める仲間が増えるとうれしいです。ありがとうございました。

−ありがとうございました。
取材日:2025年9月9日
インタビュー:
データサイエンティスト協会 企画委員会
株式会社分析屋 池田/新川
ライター:
株式会社BICP DATA 山田
株式会社Hi-Lights 清水
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ネイチャーインサイト株式会社
阿部 達也 氏(アベ タツヤ)・28歳
新卒入社・データアナリティクス部データサイエンス1グループ データサイエンティスト
データサイエンティスト歴:4 年
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