2026.09.15

Data of Data Scientist シリーズ vol.83『75%-「社内異動・他職種転職」を経てデータサイエンティストになった人の割合(2026年2月調査)』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員を対象に毎年アンケート調査を実施しています。今回は、データサイエンティストのキャリアパスについて考察します。

 

2026年の一般(個人)会員調査では、データ分析 / データ活用業務に従事するに至った経歴として、「社内の部署異動」または「他職種からの転職」と回答した人が合計約75%でした。一方、「新卒での配属」は約10%でした。
この結果から、データサイエンティストは、専門教育を受けてそのまま就く職種というだけでなく、エンジニア、技術・研究職、営業・企画など、さまざまな業務経験を持つ人が途中から参入し、専門性を高めていく職種でもあることが分かります。

キャリアパスを詳しく見ると、社内異動を経てデータ分析・データ活用業務に就いた人は合計約56%でした。内訳は、「技術・研究職からの異動」が23%と最多で、2024年の調査から6%増加しています。次いで、「その他の職種からの異動」が20%、「エンジニアからの異動」が13%です。また、「他職種からの転職」が19%を占めました。
こうした結果は、データサイエンス分野で、これまでの職務経験や業界知識が重要な資産になっていることを示しています。例えば、製造業の研究開発、金融業務、マーケティング、システム開発などで培った知識は、分析テーマの設定や結果の解釈、現場への実装に生かせます。データサイエンスのスキルを後から習得することで、既存の専門性とデータサイエンスを組み合わせた独自の強みを形成できると言えます。

 

分析業務への従事期間別にみると、従事期間が3年未満の層では、「エンジニアからの社内異動」が25%で最も高く、「新卒での配属」も17%と他の層を上回りました。既存人財の転換に加え、新卒採用やエンジニア職からのキャリアチェンジが、近年の新たなデータサイエンティストの入口になっていることがうかがえます。

一方、10年以上の経験者では、「他職種からの転職」が26%、「技術・研究職からの社内異動」が24%を占めるほか、教育・研究者やアカデミアからの転向、独立・フリーランスといった経路も見られます。データサイエンティストになる時期や経験年数によって主要な入口が異なることも、データサイエンティストのキャリアの多様性を示しています。

 

また、データ分析・データ活用業務で転職を経験した人の割合は、2026年に38%となりました。

2024年の27%から上昇し、2回以上の転職経験者も20%に達しています。データサイエンティストが一つの組織だけで経験を積むのではなく、企業や業界を越えて専門性を発揮する動きが広がっていると考えられます。

データサイエンティストを必要とする企業には、社内公募や職種転換のためのリスキリング研修、実務プロジェクトへの参加機会を整えるとともに、人財の流出を抑えるためにも、専門性を適切に評価する仕組みが求められます。
データサイエンティストのキャリアは、異なる職種や業界で得た知識・経験により厚みを持ちます。「社内異動・他職種転職が約75%」という結果は、多様な経験がデータサイエンティストの強みになり得ることを示しているのかも知れません。

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社日立アカデミー 澤晃平氏

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