2026.10.21

【イベントレポート】AI時代のデータサイエンティストとは? 仙台X-TECH「DS検定」合格を目指すデータ利活用人材育成プログラム キックオフ(2026年9月28日)

【イベントレポート】AI時代のデータサイエンティストとは? 仙台X-TECH「DS検定」合格を目指すデータ利活用人材育成プログラム キックオフ(2026年9月28日)

2026年9月28日、仙台市主催「仙台X-TECHイノベーションプロジェクト」の人材育成プログラム合同キックオフが開催されました!(INTILAQ東北イノベーションセンターとオンラインのハイブリッド)

データサイエンティスト協会も後援しており、協会 広報委員の橋本武彦さん(株式会社GA technologies)が応援に駆けつけ、登壇しました。本記事では、橋本さんの講演を中心に当日の様子をレポートします。

データ利活用人材の育成に力を注ぐ仙台市

仙台市は、AIなどの先端IT技術と幅広い産業を掛け合わせる「X-TECH」を掲げ、人材育成とビジネス開発支援を両輪とする本プロジェクトを推進しています。2024年3月に策定した「仙台経済COMPASS」でもデータ利活用の促進とデジタル人材の育成を重点に据え、同年度からはデータ利活用に焦点を当てた取り組みも始まりました。

 

今年度は、AIビジネス人材(G検定)、AIエンジニア(E資格)、データ利活用(DS検定★(データサイエンティスト検定 リテラシーレベル))、クラウド利活用(さくらのクラウド検定)の4つの育成プログラムを用意し、 合同でキックオフを実施しました。データ利活用人材育成プログラムは、約2か月でDS検定★合格を目指す短期集中型で、オンライン講座や特別講義、公式リファレンスブック、DS検定★の受験料まですべて含まれて、仙台市の支援により受講料はたったの5,500円!

多彩な仙台X-TECHイノベーションプロジェクトの人材育成プログラム

主催者挨拶では、仙台市経済局の小池課長が自らもG検定を取得したことに触れ、今年度はDS検定★に挑む受講者を支えていきたいと語りました。なんと、ご自身の検定挑戦宣言まで飛び出し、会場は大いに湧きました!自治体がDS検定★を軸にデータ人材の育成に取り組む動きは、当協会にとっても大変心強いものです。

仙台市経済局 イノベーション推進部 イノベーション企画課小池課長による主催者挨拶

日本一のAI-Ready都市へ

全体セッションでは、まず全体コーディネーターである株式会社zero to one代表の竹川隆司さんが、仙台X-TECHイノベーションプロジェクトの歩みを紹介しました。プロジェクトは「日本一のAI-Ready都市・仙台」をミッションに、「AI人材数 地方都市No.1」「X-TECH活用事例30件」「X-TECH仙台モデルの実現」という3つの目標を掲げ、G検定・E資格の取得者数やAI活用による売上・収益向上の事例数など、具体的なKPIを置いて取り組んできました。掛け声だけで終わらせず、成果を数字で追いかける姿勢からは、仙台を日本一のAI-Ready都市にするという強い意気込みが伝わってきました。

仙台X-TECHイノベーションプロジェクトのミッションと目標を紹介する竹川さん

さらに竹川さんは、自身が学んだビジネススクールの必修課程に「Data Science and AI for Leaders」が加わったことを紹介し、データサイエンスとAIは業種を問わずリーダーに不可欠なスキルになっていることを語りました。また、経済産業省の「DXリテラシー標準」と今回の4プログラムの対応を示し、標準そのものが変化に合わせて改訂される前提で作られていることから、変化に適応し、事実に基づいて判断するマインド・スタンスの大切さを強調しました。

MBAカリキュラムにData Science &AI for Leadersが追加された

「分析」から「価値創造」へ

続いて登壇した橋本さんは、「AI時代のデータサイエンティストとは?」と題して講演。まず、データサイエンティストという職業の確立と地位向上を目指す当協会の活動を紹介しました。

 

講演の軸は、データサイエンティストに期待される役割の変化です。2012年に「21世紀で最もセクシーな職業」とされたデータサイエンティストですが、その役割は年々分化し、生成AIの普及でモデル選択や可視化といった分析業務の一部は自動化が進んでいます。企業が求める成果が「モデルの精度」から「業務・経営へのインパクト」へ移ったことにより、本質的な課題設定や現実的な現場への展開こそが最大のボトルネックになっていると説明しました。

データサイエンティスト協会 広報委員会の橋本武彦さん

スキルセットは3つから5つへ

こうした変化を受け、当協会のスキル定義委員会は2025年、スキルセットを再定義しました。従来の「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つから、「基盤」「価値創造」「データサイエンス」「データエンジニアリング」「融合」の5つに変更されました。DS検定★にも、2026年6月試験から「価値創造」分野が加わっています。なかなかすべてを網羅している方はいないと思うので、スキルチェックリスト( https://the-japan-datascientist-society.github.io/skills-checklist-viewer/ )で自分や組織のスキルの現状を把握し、育成について考えるきっかけとしてほしい、と語りました。

2025年に再定義され3つから5つに増えたスキルセットについて説明

大事なのは「学び続けること」

講演の最後、橋本さんは「これから何を学ぶべきか」という問いに、自分も答えは持っていないとした上で「大事なのは学び続けること」、「楽しみながら、(生成AIやPythonなどで)実際に手を動かし、自分ごととして取り組むこと」と結びました。「DS検定★をその入口の一つとして、ぜひ活用してほしい」と会場とオンラインのみなさまにエールを送りました。

大事なのは学び続けること! 仙台を中心に東北のDSが盛り上がりそうな予感・・・

プログラム別キックオフと今後の予定

全体セッションの後はプログラムごとに部屋を分かれ、データ利活用人材育成プログラムのキックオフへ。株式会社On And On代表の布施健太郎さんからは、ご自身が受験した6月試験の体験談を交えながら、「価値創造」分野が加わってだいぶ印象が変わったことや、オンライン講座だけではカバーしきれない範囲など、合格に向けた学習のポイントが紹介されました。特に、手法を覚えるだけでなく「なぜその手法を使うのか」を意識して学んでほしい、という言葉が印象的でした。

年3回DS検定★を受けて傾向を把握されるという、株式会社On And On布施健太郎さん

事務局から学習の進め方の案内があった後は、質疑応答へ。
会場からは「これまでデータサイエンティストに求められてきたデータの前処理やコーディングはすべてAIが簡単にやってくれるようになり、これからのAIエージェント時代のデータサイエンティストの役割はどうなるのか?」という質問が寄せられました。

 

橋本さんは、スライドのP11の3段目を示しながら、AIに何をどう解かせるのか、そしてAIエージェントを望む方向に動かすための仕組み(ハーネスやループ)をどこにどう組み込むのかを決めるのは人の役割だと説明。ただしAIの実装だけでは足りず、関わるビジネス側の現場への定着まで支援し、さらにはAIにあわせ業務や組織の見直し・再設計までリードすることが大事だと強調しました。そして最後に、データやAIでの成果はリアルの現場に繋がっており、もう一度人間と向き合うことが重要になってくると語りました。

 

これは、布施さんの学習アドバイスとしてあった「手法を覚えるだけでなく『なぜ使うのか』を考えてほしい」という言葉とも重なり、「分析」から「価値創造」へという講演のメッセージが、試験勉強の段階から意識できるものだと感じました。

受講者は今後、10月の特別講義、11月の直前対策講座を経て、11月14日〜22日にDS検定★を受験します。

質疑応答の様子。橋本さん(左)と竹川さん(右)

最後に

データサイエンティストの役割が大きく変わりつつある今、その変化と学び続けることの大切さを、仙台・東北の学び手の皆さんと共有できた機会となりました。当協会としても、仙台市をはじめ東北の皆さんとともに、データサイエンス・AI活用を盛り上げていきたいと考えています。受講者の皆さんの挑戦を応援しています!

一般社団法人データサイエンティスト協会 事務局

 

参考情報:

仙台X-TECH「DS検定」合格を目指すデータ利活用人材育成プログラム キックオフ:https://techplay.jp/event/998382

経済産業省の「DXリテラシー標準」:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/skill_standard/main.html

スキルチェックリストver6リリース:https://www.datascientist.or.jp/news/n-news/post-4954/

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