2021.08.11

Data of Data Scientist シリーズ vol.19『4%-データ分析・解析に関わる人材のスキルが十分活かせていると感じている割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けに毎年アンケート調査を実施しています。今回はデータサイエンティストのスキル活用を切り口に考察します。

 

当協会では、データサイエンティストに必要なスキルセットとして「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つを定義しています。また、それぞれのスキルごとに「見習いレベル」「独り立ちレベル」「棟梁レベル」「業界を代表するレベル」の4段階を定義しています。
2020年度の一般(個人)会員向けの調査において、「現在のご自身のデータ分析・解析業務におけるスキルは、データサイエンティスト協会の定義では、どのレベルに当てはまると思いますか。」という設問に対する回答結果は、以下の通りでした。

現在のスキルレベル

2020年では、「見習いレベル」以上のスキルレベルを有すると回答した人が、「ビジネス力」と「データサイエンス力」が約9割、「データエンジニアリング力」が約8割にのぼります。特に「ビジネス力」は「棟梁レベル」以上に達する人が2割を超えるという結果でした。
一方で、「所属する企業・組織内で、ご自分を含め、データ分析・解析に関わる人材のスキルが活かせていると感じていますか」という設問に対して、「十分活かせている」はここ5年間で下降傾向にあり、2020年はわずか4%でした。「まあ活かせている」を含めれば、2020年は25%で2019年を底に回復傾向にありますが、スキル活用については今後も多くのデータサイエンティストと、彼らが所属する企業・組織の課題になりそうです。

人材・スキル活用度

スキルがある(と自覚している)のにそれを十分に活用できていない背景には、どのようなものがあるでしょうか。たとえば、Off-JT(研修やセミナーなど)で知識を蓄えたが現場で実践できない、といったように、知識習得が実務能力に結び付いていないケースが考えられます。また、個人(社員)が組織から、自身のスキルを活用するための適切な場や機会を与えられていない、といったケースもありそうです。このようなケースに対しては、Off-JTのあり方や企業・組織内の人員配置に関しても見直しが必要ですが、実務能力の測定とスキルの証明という観点でみると、「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」 は非常に有効です。
本検定の取得により、各スキルセットの「見習いレベル」の実務能力や知識、また、数理・データサイエンス・AI教育のリテラシーレベルの実力を有していることを証明することができます。Off-JTでの知識習得が実務能力に結び付いているのかを測れるとともに、企業・組織に対してスキルを証明することで、スキルを活かせるような場や機会が与えられることにもつながります。

 

今後、より多くのデータサイエンティストが自身のスキルセットを活かせることを期待します。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社日立アカデミー 市塲大夢

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