2022.07.27

Data of Data Scientist シリーズ vol.31『61.9%-資格取得理由:自身のキャリアアップにつなげるため』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員向けのショートリサーチを定期的に実施しています。今回も「資格」を切り口にしたアンケート調査結果について考察します。

「資格取得理由」について調査した結果では、データサイエンティストの回答者全体(n=556)のうち、61.9%が「自身のキャリアアップにつなげるため」と回答しています。複数回答可ですが、2番目に多い59.2%の方が「自身のスキルレベル確認のため」と回答しています。一方で、「昇格・昇給に必要だったため」という回答は4.5%とかなり低い割合となりました。

資格取得の理由

また、「資格取得のメリット」について調査した結果を見ますと、53.1%の方が「自己の成長を感じられた、自信が持てた」と回答しており、資格取得理由と同じく、「昇格・昇給」といった客観的な評価のためというよりも、自己肯定のために資格を取得しているデータサイエンティストの方が多いと言えます。これはデータサイエンスで新たな取り組みをしてご自身のキャリアアップを目指していくにあたり、資格取得の勉強を通して新たな手法や観点を身に付けていくことと、自信を持ってやりたい業務にチャレンジをするためということだと思います。
データサイエンティストと一言でいっても、業務範囲も広く定義も会社によって曖昧であることもありますので、ご自身で「この分野を伸ばしていく」と前向きに決めていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。

資格取得のメリット

Vol2930で取り上げさせていただいた、「資格取得に対する企業の支援・インセンティブ」ですが、調査結果では47.8%が「特に支援制度やインセンティブはない」という回答でした。データサイエンティストの育成という観点だけでなく、業務へのモチベーションや帰属意識といった観点でも、このような資格取得に対する支援制度やインセンティブという打ち手が、有効であると言えるかもしれません。
半面、データサイエンティストとしてのキャリア形成をお考えの方は、企業の制度を頼っているだけではまだ不足する状況であり、自身で目指したい業務に向けた資格取得を考えて、戦略的に資格を利用していく必要があると言えます。

 

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社リクルート 金子正法

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