2025.05.13

Data of Data Scientist シリーズ vol.66『60%-日本のデータサイエンティストが生成AIを業務で利用している割合』

データサイエンティスト協会では、一般(個人)会員を対象に毎年アンケート調査を実施しています。
今回は、2024年12月に実施した最新の調査結果から、日本におけるデータサイエンティストの生成AI活用の広がりや具体的な利用方法についてご紹介します。

 

データサイエンティスト協会の一般(個人)会員向けに2024年調査を実施:https://www.datascientist.or.jp/news/n-pressrelease/post-3953/

生成AIの活用が急速に進んだ昨年度から、協会では業務利用に関する調査を開始しました。2023年の調査では、業務で生成AIを利用している人は全体の31%でしたが、2024年には60%まで増加しました。

一方で、Data of Data Scientist シリーズ vol.61によると、一般のビジネスパーソンにおける生成AIの業務利用率は、2023年で4%、2024年でも5%にとどまっています。この結果から、データサイエンティストの間では生成AIの活用が一般層に比べて急速に広がっていることがわかります。

さらに、現在「トライアル中」と回答した人は18%、「利用検討中」とした人は13%にのぼり、約9割が何らかの形で生成AIの業務活用に前向きであることが明らかになりました。

また、今回の調査では、生成AIをどのような業務に導入・導入検討しているのかについても聴取しました。
最も多かったのは「ドキュメントの要約」で66%でした。業務利用に限定して見ると、「プログラムの作成」が42%、「プログラムのチェック・デバッグ」が31%と、プログラミング関連業務での活用が目立ちます。

そのほかにも、「一人ブレストの相手」、「壁打ち」、「アイデア出し」など、思考を広げる目的での利用や、「テストデータの作成」、「技術情報の収集」、「簡単な調査」など、多岐にわたる業務シーンで活用されていることがわかりました。

さらに「RAG(Retrieval-Augmented Generation)の実装」といった専門的な回答も見られ、データサイエンティストは自身の業務効率化だけでなく、生成AIを業務に組み込む役割も担っていることがうかがえます。

今後は、こうした高度な活用に対応できるスキルや技術理解を持つ人材の育成が、重要な課題となっていくでしょう。

データサイエンティスト協会 調査・研究委員会
株式会社オリコム 友田彩子氏

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