データサイエンスアワード2015最優秀賞受賞 全日本食品株式会社様インタビューvol.3

昨年初めて開催された一般社団法人データサイエンティスト協会による「データサイエンス・アワード2015」で最優秀賞に輝かれた全日本食品株式会社様に、受賞理由となったデータ分析によるサービスの継続的な改善への取り組みについてお話を伺う第3回目(全3回)。最終回となる今回は、現在向き合っておられるビジネス課題とデータ分析に関連する今後のチャレンジについてご説明をいただきました。

データを駆使したボランタリチェーンの独自のビジネスモデルを紹介したvol.1はこちら
日本チェーンストアの前年同月比を上回る成果などを挙げているデータを活用した店舗支援策を紹介したvol.2はこちら

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全日本食品株式会社
情報システム本部 本部長
上席執行役員 恩田 明 氏(写真右)

全日本食品株式会社
マーケティング本部
副本部長 宇田川 貴志 氏(写真左)
※所属役職は取材当時のもの

––– 貴社のビジネス課題について伺いたいのですが、そもそも食品のボランタリーチェーンの競合というのは存在するのでしょうか?

恩田 食品の中でボランタリーチェーンというと、プライベート・ブランドのプロダクトを共同で作って加盟店に売ってもらおうという形態が多く、加盟店の企業体規模も大きいものが多い。われわれはどちらかというと本当に中小零細といわれてしまうような規模のパパママストアが主体です。少し余談になりますが、今、卸難民っていう言葉があります。買い物難民っていう言葉はよく聞くと思うのですが、卸難民っていう言葉が、実はこの業界の中には存在します。

––– 規模の小さな店舗側が、仕入れたくても商品を卸してくれる会社がいない状態が生じているということですね。

恩田 そうです。結局、大手さんでは大量に仕入れなかったら当然利益も出ないし物流費も出ない。そこを、小さな所でも1品でも2品でも届けるというような形態をやっているのはうちぐらいですね。

––– ある種、非効率なこともやってらっしゃる分をトータルで効率を上げることで何とか吸収しながらビジネスとして成立させておられるということですね。

恩田 そうです。極端な話、1,000円のものを運ぶのに運搬費が400円とか掛かるっていう所もあるわけですよ。普通、それでは商売できないですよね。

宇田川 今、話した一番のポイントはやっぱり商品と物流と情報、これが1本でつながっていくっていうことがこれから非常に重要だと考えています。情報だけとか商品だけとか物流だけっていうのではなく、それら三つが一つに輪っかになって連なってやっていくっていうような形をつくっていかなければいけない。結局、いくらデータ分析しても、例えばNBマヨネーズが、そもそも他で普通に198円で売っているところ、300円で売ったらもう絶対売れないわけで、基本の価格競争力っていうのが一番重要な要素です。そこがないと、いくら私どもがデータ分析しても売価には勝てないっていうところが、これまで分析していて強く認識するところです。そこは高くない、安い必要はないのですけど高くないっていうところをしっかりつくっていくっていうことが重要です。

 

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