2016 第1回データサイエンティスト協会 勉強会
2016年6月15日、データサイエンティスト協会 勉強会2016 第1回『データサイエンスの全体像』と題して株式会社金融エンジニアリング・グループ(以下、FEG)の創業者であり、チーフ・データサイエンティストの中林 三平氏による講演が内田洋行 東京ユビキタス協創広場 CANVAS(八丁堀)で開催されました。
講演では、「情報」や「分析」という言葉がデータサイエンス分野ではどのように理解されるべきか、データサイエンスの手法の体系と概要、そして人材育成として、KDD CUPで2位という好成績を叩き出した世界トップレベルのデータサイエンティストたちを有するFEG社のデータサイエンティスト育成方法が紹介されました。今回は、その講演内容をレポートします!
【登壇者】
株式会社金融エンジニアリング・グループ
創業者 チーフ・データサイエンティスト
中林 三平氏
1948年生まれ。1971年、自由学園男子最高学部(理科)卒業、日本ユニバック総合研究所入社。1973年、野村総合研究所入社。1981年、社費留学にてUniversity of Pennsylvania 公共政策学修士、1982年、同大博士課程修了(意思決定理論)。AIコンサルティング室長として第五世代コンピュータプロジェクトなどに関わる。1989年、同社を退社し、株式会社金融エンジニアリング・グループを設立。代表取締役。2014年、同社代表取締役を退任。現在は、同社チーフ・データサイエンティストとして後進の指導にあたる。データサイエンティスト協会理事。
1.「情報」、「分析」、「データサイエンティスト」
「データサイエンス」という言葉が使われ始めたのはいつからなのでしょうか。1960年代、ハードウェアに関する研究が「コンピュータサイエンス」と言われていたのに対し、コンピュータが扱う情報つまりデータの分析に関わる研究分野を表す言葉として「データサイエンス」が誕生しました。しかし、当時に比べて現在では「データサイエンス」の意味合いが変わってきており、今ではより広範囲のスキル、仕事を指すようになってきたそうです。また、Wikipediaでのデータサイエンティストの定義と、データサイエンティスト協会が2014年に発表したスキルセットが紹介され、それぞれ異なる点があるものの、「情報を分析する」という点においては定義が一致しているとのことでした。さらに、分析の様々なレベルとして、Descriptive Analytics ・ Predictive Analytics ・ Prescriptive Analytics(第1回データサイエンティスト養成講座参照)が説明されました。
株式会社金融エンジニアリング・グループ 中林 三平氏