2025/12/17

因果推論 基礎から機械学習・時系列解析・因果探索を用いた意思決定のアプローチ

著者名: 金本 拓

出版社名:オーム社

株式会社GA technologies
三田 匡能さん推薦!

統計的因果推論について、標準的な手法(回帰分析や傾向スコアといった観測済みの交絡因子を統制するための手法や、RDDやDiDなどの自然実験)だけでなく機械学習と融合した近年の手法(Meta LearnerやDMLなど)や因果探索まで幅広く扱っており、この分野を概観するのに最適な本だと思います。図解が多いのもこの本の特徴の一つで、分析の流れを表す図や手法選択のフローチャートがあったりと、わかりやすくするための工夫が随所に凝らされています。これから因果推論を学びたい方におすすめしたい一冊です。

★★★ ↓ DS協会 企画委員による解説文 ↓ ★★★

たかひろ

因果推論…なかなか難しそうな題名ですね…
そもそも因果推論ってどういう推論でしたっけ?

博士

博士

そうじゃの、まずは因果推論を理解する前に相関関係と因果関係の違いを説明しようかの。
相関関係とは、1つの変数の値が変化すると他方の変数も変化する関係が存在する場合に両者に相関があるという関係のことじゃ。
一方因果関係とは、簡単にいうとある出来事(原因)が別の出来事(結果)を引き起こす関係と言える。

たかひろ

う〜ん…いまいち違いが分からないのです…

相関関係でも1つの変数の値が変化すると他方の変数が変化するなら、それは原因と結果と言えそうですが…

博士

博士

その気持ち分からんでもないぞ、たしかに相関関係と因果関係はよく混同されるからのぉ。
例えばじゃが、各店舗の売上と広告費という2変数間に正の相関関係があるとする。
とすると広告費(原因)を増やせば増やすほど売上(結果)が上がるのではないかと考えてしまうが、そもそも規模の大きい店舗は他店よりも広告費を多くかけることが元から許され、店舗規模が大きいと売上も他店よりは高くなるという裏の背景があったとすれば、相関関係はあれど必ずしも広告費と売上の間には因果関係(原因→結果)があるとは限らんのじゃ。

たかひろ

なるほど、その例えだと相関関係と因果関係の違いが分かりやすいですね。
確かに2変数間ではなく別の変数、今回でいえば店舗規模が広告費と売上に因果関係のない見かけ上の相関を作り出しているとも言えそうですね。

博士

博士

その通りじゃ!2変数に影響を与えるような他の変数を交絡因子とも言うぞ。
因果関係があると言えるためにはいくつもの基準があり、例えば統計学者のBradford Hillが設定した9項目の基準などじゃ。
それでも全ての項目が等しく重要というわけではなく、因果関係を特定するためにはプロセスやメカニズム、統計的関連性から考える必要があると言われておる。
最初の質問に答えるとすると、ある事象が「なぜ?」起こるのかをデータを用いて答え(因果効果や因果構造)を推論する考え方を因果推論というのじゃ。

たかひろ

結果に対して原因が何なのか、どのくらい影響しているのか、原因が結果とどう関わり合っているのかを推論するということなのですね!

博士

博士

うむ、その通りじゃ。
本書では因果推論の基礎から因果探索、基本的な因果推論手法、機械学習と融合させた手法、時系列因果推論手法と幅広く学ぶことができ、因果推論分野を理解するにはピッタリの内容となっておるぞ。
ぜひこれを機に因果推論の世界へ飛び込んでくれたまえ!

たかひろ

博士の説明を聞いて、因果推論に興味が湧いてきました!
早速読んでみたいと思います!

解説文執筆:

データサイエンティスト協会 企画委員会

株式会社分析屋 池田貴弘