2023.11.16

課題解決型人材コンテスト2022参加者インタビューvol.4 最終回

課題解決型人材コンテスト2022参加者インタビューvol.4 最終回

課題解決型人材コンテストは、企業にリアルな業務課題とデータを提供いただき4ヶ月間のデータ分析の結果からアクションを提言するコンテストです。参加者がチームを組みメンターからアドバイスを受けながら、フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成するユニークな取り組みを行っています。
(2022年の概要はこちら→https://techplay.jp/event/866862

 

10月20日(金)にハイブリッドで開催された「10thシンポジウム〜データサイエンスの最前線」では、2023年の最優秀チームの発表がありました。https://www.datascientist.or.jp/symp/2023/

 

今回は、2022年の課題解決型人材コンテストにご参加いただいたチームインタビューの最終回ということで、Dチームのみなさんにコンテストを振り返って様々なお話を伺いました。

 

Vol.3はこちら→https://www.datascientist.or.jp/dssjournal/2023/09/13/contest2022-interview-3/

メンバー:株式会社キーウォーカー 麻生志郎さん/インフォメティス株式会社 合谷秋人さん/沖電気工業株式会社 梅木悠輔さん/NTTコミュニケーションズ株式会社 丹野良介さん/株式会社ジェイアール東日本企画 高木慎平さん
メンター:トランス・コスモス株式会社 濱田充男さん/アポロ株式会社 山田晃平さん
インタビューアー:DS協会 広報担当 真田
(順不同)

今回のコンテストに参加して良かった点、人に勧めたいと感じた点などについて教えていただけますでしょうか。

 

丹野さん:私がコンテストで良かったと感じたのは3つあります。
1つ目は、コンテスト形式・実案件ベースであることです。仮想で作られた案件ではなく、実案件の状況を体験できるため、実践的な経験を短期間で積むことができました。
2つ目は、他の企業の方とチームを組むことができることです。多様な職種・分野の方と協力して問題に取り組み、多角的な視点からディスカッションができるのは有意義に感じました。
3つ目は、専門のメンターから適切なアドバイスを受けられることです。型・フレームワークに沿って課題・データ提供企業と合意形成する、実案件に近い形でのワークフローをコンテスト形式で実施するところに非常に魅力を感じました。専門家からの直接的な指導やアドバイスを受けることで、より質の高い分析・提案をすることができるようになりました。

 

真田:ありがとうございます。梅木さんはいかがでしたか?

 

梅木さん:スクールでは学べないビジネス視点でのデータ分析を経験できるのは他にはない特徴です。
私は、メーカー出身でデータ分析をする職種ではないので、社外スクールでデータサイエンスの勉強をしています。その社外スクールでは、売上向上等のビジネス視点でのデータ分析が中心で、課題の見極めを行う勉強はできませんでした。そのため、実践としてデータ分析を行うイメージがあまりピンと来ていませんでした。しかし、本コンテストでは、クライアントの課題の見極めからPoCまで一連のことを実践することができます。スクールで学ぶことのないデシル分析やRFM分析などを自分の手で実装して、データを深く理解する手法を学べました。さらに、チーム内でディスカッションすることにより、自分では考えられない分析視点も吸収することができました。

 

このコンテストで大変だったこと、苦労したことはなんですか?

 

麻生さん:先ほど梅木さんが仰っていたことと似ていていますが、多くのデータ分析系コンテストではタスクとデータが決まっていて、精度を競うのが目的になっています。しかし、本コンテストは課題の部分から考える必要があり、短い時間でEDAから問題の見極め、PoCの提案まで進めなければなりませんでした。特に、限られたデータから施策につなげられる仮説を立て、分析方法を検討することは、非常に難しかったです。また、自分のチームは中間報告会からの方針転換を余儀なくされたことも、苦労した点ですが、同時に、議論の中で自分が考えつかなかった意見が出てきたり、新しい解決策に行き着いたときの喜びも大きいように感じました。

 

真田:合谷さんはいかがですか?

 

合谷さん:1つ目は、企業として何をすべきかまでを考え抜いた点です。与えられたデータとテーマから、企業の状況や背景を理解することが必要でした。
そのためには、データ分析以外にもIR情報など企業についての情報収集をし、経営方針なども考えて議論しました。最終報告までに、チームのアイディアも発散しがちで苦労しましたが、個々のコミュニケーションを重ねたり工夫することで、議論を深めていくことができました。
2つ目は、異業種のデータに触れた点です。顧客の売買情報を中心としたデータは、本業で扱うことはなく、慣れるのに苦労しました。マーケティングの本や事例を読むなどして、考え方を学びました。PoCの設計なども、与えられた条件下ではどのように実施するべきかわからないところもあり苦労しました。

 

このコンテストを通じて学んだこと、普段の業務に活かせられそうなことはどんなところですか?

 

高木さん:いろいろな表やグラフの活用方法、様々な分析手法はすぐにでも活用できるなと思いました。メンターの方がおっしゃっていた「勘でビジネスをしない」が印象的で、これまでもロジカルな説明は心がけていましたが、今後はさらに数値に基づいたロジカルな説明ということを意識して業務にあたりたいと思いました。

 

梅木さん:「データに対するアプローチ」「共通認識のための可視化」が普段の業務に活かせられると思いました。新商品を作る時の原価や売価の予想をする上では、過去の経験に基づいて行うだけでなく、今後は、本コンテストで学んだ傾向分析の知見を活かして、市場の動向を考慮した値ごろ感をもって行動していきます。
共通認識のための可視化については、グラフ化、パワーポイントの見せ方などがあり、チームの方のやり方が非常に勉強になりました。すでに業務に使わせて頂いております。

 

メンターの2人にも質問させてください。コンテストを通じて、人に勧めたいと感じた点などについて教えてください。

 

濱田さん:データの整形や可視化などの基本的な手法に磨きをかけられるだけでなく、提供されたデータからその企業の抱えるビジネス課題を見つけ、さらにその課題をどのように解決するのか。本当のデータサイエンティストになるためのすべてが詰まっているコンテストだと思います。
また、メンターの立場として言えば、毎回課題も違いますので、メンターとしても非常に勉強になると思っています。

 

メンターとして大変だったこと、苦労したことはありましたか?

 

濱田さん:議論が白熱するタイプのチームだったので、毎回時間が長いのが大変でした。あとは、どのタイミングで、どの程度までアドバイスをして良いのかが最も難しかったですね。基本的にはチームメンバーの自主性、チーム全体で決定した内容を重視しました。

 

真田:ありがとうございました。

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