データサイエンティストの業務内容や働き方の実情を、多くの人に正しく知ってもらいたいと考え、企画を始めたインタビューシリーズ。
第十一弾は、株式会社マイナビのデジタルテクノロジー戦略本部AI戦略室でデータサイエンティストをされている、飯田 翔吾(イイダ ショウゴ)さんにお話を伺います。
ー まずは自己紹介をお願いいたします。
飯田さん: 株式会社マイナビでデータサイエンティストとして働いております、飯田 翔吾と申します。2024年の新卒入社です。
大学は中央大学の理工学部経営システム工学科に所属していました。研究室の指導教授である樋口先生はデータサイエンティスト協会(以下DS協会)の理事をされている方で、そのようなご縁もあり、大学4年から社会人2年目にかけて、DS協会が毎年開催しているシンポジウムに3回連続で対面参加させていただいています。
ー シンポジウムには直近3年ほど参加されているのですね。
飯田さん: はい、もしかしたら現地でお会いしていたかもしれません。
ー 学生時代はどのような研究や学習をされていましたか。
飯田さん: データサイエンスを中心に学んでいました。統計学や重回帰分析から始まり、決定木や機械学習の手法、サポートベクターマシン、最適化手法といった内容です。自分の1つ下の代からカリキュラムはそのままに、学科名が「ビジネスデータサイエンス学科」に変わりまして、今でいうデータサイエンス学科のような位置づけです。
大学4年の研究では、深層学習のCNNを使い、葉の病気の種類を特定する画像分類タスクに取り組みました。
ー 高校時代から理系だったのですね。経営システム工学科に進もうと思われたきっかけは何ですか。
飯田さん: 高校の頃からデータサイエンティストになりたいとずっと思っていました。
きっかけは2つあります。1つは、高校時代に講演でデータサイエンティストが注目されている職種だという話を聞いたことです。アメリカで流行しており、日本では人材が不足しているという内容でした。もう1つは、中学の頃から科学雑誌『Newton(ニュートン)』を3年ほど定期購読しており、統計学の特集を読む中で興味を持ち始めたことです。例えば、同じクラスに同じ誕生日の人がいる確率が想像と異なるといった話が面白く、少しずつ惹かれていきました。そのため大学の学科は、データサイエンスと統計、プログラミングが学べるところを探して受験しました。
ー 中学の頃からご興味があったのですね。大学卒業後、マイナビに入社された経緯を教えていただけますか。
飯田さん: 夏のインターンシップをデータサイエンスで検索して探す中で、マイナビの3日間のインターンシップを見つけ、応募・参加したのが始まりです。
データサイエンティスト枠で多くの企業に応募しましたが、学部卒だと求められる技術水準が高く、書類選考で落ちてしまう企業も多くありました。
マイナビは将来性も見てくださり、ご縁をいただきました。就活の軸としては、自社サービスを持っている会社の方がデータを扱いやすく、社内向けの業務が中心であることも入社前から把握していたので、そのような企業を探していました。
ー マイナビのインターンシップはどのような内容でしたか。
飯田さん: 3日間のプログラムで、テーブルデータを用いた家賃予測です。住所や室内設備や周辺環境といった項目にテキストが混在したデータを扱います。学生はLightGBMやXGBoostといった決定木系のモデルで予測し、5人程度のグループで精度を高めていく内容です。ビジネス観点も取り入れており、「家賃予測モデルを作っても、実際にユーザーがサイトで使う際に入力変数が多すぎると入力してもらえない」といった視点も考慮しながら進めます。非常に満足度の高いインターンシップでした。

ー 会社の事業内容と、現在のお仕事について教えてください。
飯田さん: 当社は基本的に人材会社で、求職者と企業のマッチングを行い、就職や転職の支援をするのが主な事業です。
会社全体としては「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というパーパスのもと、高校生向けに大学入試や就活の支援サービスも展開しています。私はその事業部で、高校生向けの面接練習サービス「AI-m(エイム)」のAI機能開発を担当しています。
また、社内向けの議事録サービスのAI部分の開発も行っています。加えて、ここ半年ほどは画像生成AIの精度向上に伴い、広告配信での活用可能性を検証するプロジェクトにも携わっています。
ー 高校生向けの面接練習サービス、AI-m(エイム)についてもう少し具体的に教えていただけますか。
飯田さん: AI-mのメインターゲットは進学を希望する高校生です。総合型選抜や推薦入試といった、面接がある入試に対応したサービスになっています。
近年、面接入試の割合が増加する一方で、高校の先生方が面接指導に充てられる時間が限られているという課題があります。AI-mはその課題を支援するサービスです。
私が開発している部分は、面接練習の音声の文字起こしと、その内容に対するフィードバック機能です。文字起こしには音声認識AI、フィードバックには生成AIを活用しています。
ー 議事録サービスも同様の技術を使っているのですか。
飯田さん: はい、文字起こしと生成AIによる要約を活用しています。ZoomやGoogle Meetにも自動議事録機能はありますが、自社開発しているのは、必要な範囲で社内に音声データを蓄積できるメリットがあるためです。
例えば企業ごとの商談記録を蓄積すれば提案に活かしやすくなりますし、SFA(営業支援システム)への自動連携も実現しています。商談の録音から要約を生成し、営業管理システムに自動で反映することで、営業担当者の負荷を軽減する仕組みを構築しています。
ー 入社後の研修はどのような内容でしたか。
飯田さん: まず全社的な研修が約5日間あり、その後6月末までIT部門の研修が続きました。GitHubやPythonの基本から始まり、1ヶ月ほどかけて要件定義からアプリ開発までを行う実践型の研修です。
7月から8月末までの約1ヶ月半は、IT部門内の様々な部署をローテーションする研修がありました。SEや開発、社内システムの運用部署など、多様な部署を経験し、9月から現場配属となりました。特にローテーション研修は他部署の業務理解に非常に役立ちました。
ー 大学で学んだ内容は入社後の業務に活きていますか。
飯田さん: 基礎的な考え方としては活きています。機械学習の予測における結果の考察や、検証の評価設計といった部分です。
ただ、現在は開発寄りの業務が多く、これは自分で希望した結果でもあります。隣のチームではマッチングモデルやMMM(マーケティング・ミックス・モデリング)などを活用してデータサイエンスの業務を行っていますが、私はまず開発スキルを身につけたいと考えました。
将来的には開発もデータサイエンスもできる人材になることを目指しており、大学でデータサイエンスの基礎を学んだ上で、今は開発に力を入れているという状況です。
ー 開発スキルを先に身につけたいと思われた理由は何ですか。
飯田さん: DS協会のスキル定義でも「バリュークリエーション(価値創造)」と呼ばれる領域がありますが、事業部の課題を解決する際に、モデルを作って予測するだけでなく、その予測を業務にきちんと組み込む開発スキルがあると、課題解決力として非常に有効だと考えています。キャリアについて悩みながらではありますが、そのような観点から開発に注力しています。このマインドセットになったのは、入社後のローテーション研修がきっかけです。入社前は開発経験が全くなく、研修期間にシステム開発を経験する中で、その重要性を実感しました。
ー データサイエンティストが開発にどの程度関わっているか、もう少し具体的に教えていただけますか。
飯田さん: 私の業務ではAI機能の提供に加え、インフラまで担当しています。セキュアなアクセス環境も含めてクラウドインフラの構築からデプロイまで一貫して対応しています。
エンジニアはバックエンドのデータベースやシステムを担当し、AIのAPI部分は我々の部署が行うという役割分担です。クラウドの細かい知識については、社内の専門部隊にアドバイスを求めることもあります。
<後編へ続く>

取材日:2026年4月8日
インタビュー:
データサイエンティスト協会 企画委員会
株式会社分析屋 池田
ライター:
株式会社BICP DATA 山田
株式会社Hi-Lights 清水
- カテゴリ
-
-
DS関連NEWS
-
インタビュー
-
スキルアップ
-
コラム
-
教えて!DS
-
- アーカイブ
-
-
2026年
-
2025年
-
2024年
-
2023年
-
2022年
-
2021年
-
2020年
-
2019年
-
2018年
-
2017年
-
2016年
-
- 記事アクセスランキング
-
- タグ
株式会社マイナビ 飯田 翔吾氏(イイダ ショウゴ)
24歳 新卒入社
デジタルテクノロジー戦略本部AI戦略室 データサイエンティスト
データサイエンティスト歴:2年
※企業の採用情報はこちら