2023/12/20

武器としてのデータ分析力

著者名:中西 達夫、畠 慎一郎

出版社名:日本実業出版社

Dataiku Japan株式会社
松永 智子さん推薦!

松永氏 推薦文:「データ活用の民主化」、「市民データサイエンティスト」といったフレーズが注目され、データ分析の裾野が広がってきています。BIツールが普及しAutoMLのような簡単にモデルを開発できるテクノロジーも実用が広がる中、突然、データ分析チームに異動を命じられたという方々もいらっしゃるでしょう。そんな中、よく聞かれるのが「統計学の知識は要りますか」という質問です。
その答えは、皆様同意いただけると思いますが、当然「必要」です。データの性質を理解せず誤ったインサイトを読み取ってしまうと、データに基づく意思決定も間違ったものとなってしまいます。データは武器である一方で、魔物でもあり、その扱いには適切な知識と訓練が必要です。

今回おすすめする本書は、データ分析に必要な最低限の統計的知識を学ぶはじめのステップとして、あるいは、学生時代にちょっと学んだ統計学についてその基礎をおさらいするために、有用だと考えています。

第1章では、ビジネスのためのデータ分析について、その必要性をおさらいします。なんのためにデータ分析をするのか、そのために何を学ぶのかを確認します。第2章では、データ分析の2つの種類と超基本的な7つの分析手法について学びます。第3章から、データ分析の実践方法についてを学びます。第3章と第4章ではデータについて、第5章では探索型データ分析について、第6章では目的型データ分析について解説されています。第7章には、データ分析を行う際の留意点が記されています。

同様にデータ分析の基本的な知識を解説する本は、他にも多く出版されています。私がこの書籍をおすすめする理由はちょうど良い量と読みやすさです。データ分析者となる道筋の最初の一歩に時間がかかることでその後の勉強を進めるモチベーションが落ちてしまったり、あるいは次のステップになかなか進めないということはできるだけ避けたいところです。それに、読みたい本、読むべき本は今後無数に出てきます。時間と集中はそういう書籍のためにも取っておきましょう。まずはこの書籍でさっと短時間で基本を整え、ここはもう少ししっかり勉強したいなという領域へと進んでいくというやり方はいかがでしょうか。